1.日時
平成23年6月15日水曜日 15時~17時
2.場所
学士会館210号室
3.議題
- 改革の基本的考え方、新制度のイメージについて
- 基本制度ワーキンググループの設置について
- その他
4.議事録
【田村部会長】
それでは、定刻になりましたので、ただいまから、第10回中央教育審議会 教員の資質能力向上特別部会を開催させていただきます。本日は大変お忙しいところ、多くの委員の先生方にご出席いただきまして、誠にありがとうございます。
それでは、議事に入ります前に、委員に異動がございましたので、事務局からご紹介をお願いしたいと思います。
【日向教育改革調整官】
資料1を御覧ください。このたび、新藤委員が退任をされまして、渋谷区立上原中学校長、全日本中学校長会長の大江近委員をお迎えいたしました。
佐藤委員が退任をされ、千葉経済大学短期大学部理事長・学長、日本私立短期大学協会副会長の佐久間勝彦委員をお迎えいたしました。
向山委員が退任され、台東区立台東育英小学校長、全国連合小学校長会長の露木昌仙委員をお迎えいたしました。以上でございます。
【田村部会長】
ありがとうございます。
それでは、事務局より本日の配付資料の確認をお願いいたします。
【日向教育改革調整官】
資料1は、この特別部会の名簿です。資料2、改革の基本的な考え方について、資料3、教職生活の全体を通じた教員の資質能力向上のイメージ(例)、資料4、基本制度ワーキンググループの設置について(案)、資料5-1、第2期教育振興基本計画策定について1.、資料5-2、第2期教育振興基本計画策定について2.、資料6-1、教育の情報化ビジョン(概要)、資料6-2、教育の情報化ビジョン~21世紀にふさわしい学びと学校の創造を目指して~、資料7、事務連絡の意見募集の照会に関する資料でございます。以上です。
【田村部会長】
ありがとうございます。
それでは、議事に入らせていただきます。まず最初に、資料2及び資料3、改革の基本的考え方、新制度のイメージについて、事務局から説明をお願いします。
【日向教育改革調整官】
資料2から説明をさせていただきます。これは審議経過報告に書かれているものを整理させていただいたものです。まず初めに、社会背景を踏まえ、どのような教育が必要なのかということで、「知識基盤社会の本格的到来の中で、21世紀を生き抜いていける資質や能力を備えた人材の育成に対応した教育が求められるということ」です。
しかしながら、一方で、学校現場の課題ということで、生徒指導上の諸課題とか、特別支援教育の充実、外国人児童・生徒への対応など、また、学力の向上、家庭・地域との連携協力の必要性について指摘があります。
これからの学校教育についてですが、上記諸課題への対応、それから、一斉指導を行うだけではなくて、個別化や創造的・協働的な学習活動� ��実施し、地域の力も活用しながら、学びの転換と教育の質の向上が求められているということです。
あわせて、これからの教員につきましては、教職活動の一連のプロセスをマネジメントしながら、実際に遂行する力や、他の同僚とチームとして対応する力が必要であり、こうしたことから、今般、教職生活全体を通じて教員の資質能力向上を図ることを支援するため、免許制度、それから、養成、採用、研修、こうしたものの一体的制度構築が必要であるという形でまとめられるのではないかと考え、資料2をご用意させていただきました。
次に、資料3でございます。こちらは、現行制度と審議経過報告を踏まえて新たな制度をイメージしたもので、あくまでも例示ですが、議論をより深めていただくためにご用意させてい� �だいたものです。
まず、養成段階ですが、実習を重視した実践的指導力を育成するということで、新たに一般免許状を設け、当面は学部段階でも基礎免許状を出します。基礎免許状を取られた方につきましては、採用後、大学院等で修士レベルの学びを深めていただき、一般免許状を取っていただくということで、その際は初任者研修との関係の整理が課題として挙げられます。
現職段階につきましては、免許制度と研修制度を一体化させ、また、教育委員会と大学が連携して研修を行うなどにより、先生方の資質能力向上にをおこなっていきます。更新講習、10年経験者研修など現在行われているものを含めて、教職大学院等における学修とか、大学の講習、各種研修、こうしたものの成果を専門免許状という形でつなげてい きます。
専門免許状を取得した方につきまして、その取得の効果ということですが、審議経過報告では、管理職の登用要件の1つとしてはどうかということがございましたが、これ以外にも、例えば教科指導・生徒指導などで学校なり地域の中核となる先生とか、または教職大学院における指導者というような形で、その後の専門分化につながっていくのではないかと考えます。
資料の説明は以上でございます。
【田村部会長】
ありがとうございました。資料2のところに、新しい時代に対応した教員の資質ということで一応整理したものが、黒ポツで6つほど並べてございます。これらが議論した中身だったと思うんですが、これらを考えながら資料3を御覧いただきますと、こういう新しい制度について議論を進めるのはどうだろうかという整理をしていただいたわけです。これは既に先生方のご意見をいただいたものを元につくったものですが、これについて、今日は自由にご意見、ご質問をお願いしたいと思っております。具体的にかなり形が出てまいりましたので、いろいろなご意見がいただけるものではないかと思いますが、いかがでございましょうか。
吉田委員から。どうぞ。
【吉田委員】
お尋ねしたいんですが、資料2も資料3も見ましても、公立の教員と言うと言い方が失礼ですけれども、教育委員会を中心とした考え方が基本であって、今まで私どもが申してまいりました私立学校における教員の扱いが見えてこないんですが、これは公立学校だけのことと考えてよろしいんでしょうか。
【田村部会長】
よろしいですか。
【日向教育改革調整官】
確かに小中高校の私学の先生方の扱いなど、そのほかにもいろいろ課題、今後整理していかなければならない論点がありますが、とりあえずはベーシックな形ということで、ある程度、公立学校の先生方を念頭に置いてつくったものです。今後、私立学校の先生方はどうするのかということもあわせて検討していく必要があるとは思いますが、現段階で議論を深めるために、イメージ例ということで作成させていただきました。ご理解いただければと思います。
【吉田委員】
ありがとうございました。
【田村部会長】
ありがとうございました。吉田委員、よろしゅうございますか。これでとにかく議論して、それで、さらに今の問題はそのまま引き継いでいくということでご了承いただければと思います。
それでは、堀内委員、どうぞ。
【堀内委員】
1月に審議経過報告がまとめられてから、いろいろなところで、委員をやっているということで、質問等をいただきました。それで、一番大きな問題、論点というのが、もちろんイメージ図に出ているところなんですけれども、3つの新しい免許の相互関係ということだろうと思います。
言葉としては、基礎免許、一般免許、専門免許という言い方でまとめられたんですが、一般免許は、名前のとおり、修士課程をベースとした基本的な免許であると。それに対しまして、基礎免許と言っているものがテンタティブなものなのか。例えば今の二種免許のように、一定の年限で必ず上進しなければいけないかどうか。それから、これをもって、どこまで採用の対象になり得るのかと。パーマネントな採用なのか、や� ��りこれも臨時的な形でとどまるのか。
それから、さらには専門の免許ですけれども、私の理解としては、これは上乗せ免許的なイメージで昨年度の論議があっただろうと理解していいますが、一部においては、これを持たないと、例えば管理職に登用されないのか等々、その辺がかなりやはり不鮮明なままできているのではないだろうか。
逆に言いますと、今言ったようなところがこれから進めていく、まず最初の課題ではなかろうかと。この辺の枠を明確にしませんと、中身の問題、例えば一般免許の構成として、実習をどのぐらいの期間やったらいいのか等々というようなところがなかなか決まってこないと思います。したがいまして、免許の相互関係と基本的な枠づけについて、全体の合意形成といいましょうか、そう� ��うものを図っていただければ大変ありがたいと、このように考えております。
【田村部会長】
これは事務局から何かコメントはございますか。
【日向教育改革調整官】
基礎免許状と一般免許状の関係ですが、審議経過報告におきましては、一定期間のうちに一般免許状の取得を義務づけるとか、または基礎免許状に有効期間を設けることなどを検討する必要があると指摘されています。堀内委員から今ご指摘いただいたことも含めて、基礎免許状と一般免許状の関係は今後整理をしていく必要があると考えます。
それから、専門免許状ですが、まだ論点が出ているだけの段階です。先生がおっしゃるように、例えば一般免許状より上位という考え方もあるでしょうし、例えば、今の免許状で言うところの、小学校免許状と特別支援学校の免許状の関係みたいに横になるという考え方もあるかと思います。これから引き続き、その点も含めてご議論いただく必要がある と考えております。
【田村部会長】
ありがとうございます。つまり、生涯学習社会に応じた教員の養成のあり方ということで、大学院は無視できないという基本的な考え方が委員の先生方におありであったという気がします。その位置づけをどうするかというのは、今、堀内委員がおっしゃったように、まだ全部明確に整理はできていないんですけれども、大体こんな種類を考えてちょっと議論で整理してみたらどうかという、こういう発想だと思うんですけれども、よろしゅうございますか。
日渡委員、どうぞ。
【日渡委員】
今日の資料2に改革の方向性が6点ほど示されていますが、1年間の検討を考えてみると、養成、採用、研修という言葉が出てきて、38年なりを一体的、総合的に見直そうということでした。養成と免許ということは、大学の改革ということである一定の担保できるわけですけれども、話題になっていた、38年を担う、言葉をかりれば、教育委員会の資質能力の向上も担保するものがないと、「養成で、免許制度で頑張りましたよ。教育委員会はどうぞ」ということになってしまいますので、どういう形で盛り込めるのかわかりませんが、教育委員会の資質能力を担保するものを盛り込む必要があるのではないかなという気がしております。
【田村部会長】
ありがとうございます。非常に大事なところで。教育委員会が養成に明確にかかわるようにはなっているんですけれども、事務局から説明いただけますか。
【日向教育改革調整官】
教育委員会がどういう役割を示していくのかとか、どうあるべきなのかというところにつきましては、審議経過報告をまとめるまでのご議論は、どちらかというと、養成部分が中心だったように記憶しております。教育委員会の部分については、例えば研修で大学と連携をするとか、それから、養成・採用・研修全体を通じてということですが、教育委員会と大学等との連携・協働ということについて示されているところにとどまっておりますので、教育委員会の役割をもう少し深めるべきということであれば、どういうふうに追加していくのかというのはありますけれども、論点の1つに加えて、具体的な制度設計に向けたご議論を深めていただければと思っております。
【田村部会長】
ということでよろしゅうございますか。何かもう少し具体的に書いたほうがいいということですか。
【日渡委員】
はい。参加とか連携というのはいいんですけれども、参加とか連携に耐え得る能力とか資質をまずつけてというようなことです。大学のほうも連携とか参加ということは入っていますけれども、大学については資質というところまである程度踏み込んだ議論をしましたので、教育委員会についても連携というさわりではなくて、もともとの資質とか能力の部分まである程度入っていったほうがいいのではないかなという考えです。
【田村部会長】
私もそう思います。現実に大学院をいろいろ見てみますと、ものすごく教育委員会と一緒にやっています。だから、それは質と必ずつながりますから、明確にしておいたほうがいいという感じがあります。また議論の中でまとめさせていただこうと思います。
ほかにはいかがでございましょうか。村松委員どうぞ。
【村松委員】
先に今の日渡委員のおっしゃったことに絡めて言いますと、大学あるいは大学院のほうが、養成部分だけではなくて、その後の38年間とか、あるいは専門免許状の取得等々が、ここも既に連携の中身ですけれども、大学の役割が拡大していくだろうなというふうに、そういうイメージを持っていますので、そこの仕組みをぜひ議論したいと思います。免許状更新講習などは、道筋が見えている部分の一つなのかなと思っております。
私は養成側の大学のほうの話をちょっとしたいと思います。資料3の図で非常にわかりやすくなっているのですが、右側の新制度では、大学で基礎免許状、そして、すぐ左側に大学院等修士レベルがあり、これは当然、教職大学院も含んでいると考えていいのかということが1つで� �。
それから、その上に教員採用があって、その上に、教員採用後、もう1回修士レベルというルートと、初めから修士レベルで一般免許状を取れる仕組みにして、そこからいきなり教員採用というルートもつくるというイメージ図かなと思います。基本的にはその方向に賛成ですが、大学は、基本的に開放制で、一般大学・学部等々も基礎免許状を取れるような課程編成を実質的にするということはありますけれども、どうだろうなというふうに思っています。
左の問題が、大学院等の修士レベルはどこを想定するのかという部分です。教育学研究科だけですと、ほとんど国立のみで、定員から言って、必要な教員数に到底見合わないだろうと思いますので、おそらく一般の研究科の修士レベルも取り込んでいく。そのときに、� ��までのような専修免許状とは違う仕組みにしなければいけないとすると、教育実習の話とかいろいろ出ましたけれども、そこにはどういう条件をつけていくのか。
ここもやはりほかの大学の先生方から聞かれる質問の部分で、開放制で今まで教員養成をやってきたけれども、その上の一般免許状を取れるような仕組みに対応できるのかできないのかということの議論が、そちらサイドの問題だけではなくて、日本の教員全体のことを考えたときに当然そこと一緒にやっていく必要はありますので、そこの仕組みをかなり具体化していく必要があります。
ここのところがあまり広くまだ知られていない中で、後ほども意見照会の話があると思いますけれども、この意見照会で関係する多くの大学に伝わっているのだろうかなとい� ��ところが心配で、ぜひ幅広く周知し、どういう議論があるのか、実質的にできるのかということを詰めることが非常に重要なのではないかと思っている次第です。
あと、修士レベルのところを、レベルという言葉ですから、専門職修士もありますので、それが入っていると思いますけれども、教職大学院とそれ以外の教育学研究科の中の専攻、それから、ほかの、例えば理学研究科の専攻をどういうふうに同列に扱っていくのか、どこにどういう条件をつけていくのかということをぜひ詰めていただきたいと思います。
それから、もう1件、別のことを申し上げます。日本の教員は、特に小学校から教員の資質能力を向上していかなければいけないと思いますが、小学校の教員は女性のほうが多数派です。これまでも医師とか薬 剤師とか6年制等々をやってきておりますけれども、その数に比べて、教員の数のほうがはるかに多いわけです。
教員というのは少子化社会になっては困るわけで、女性たちには妊娠、出産等々があります。育児は男女一緒にするにしても、そういうライフステージとの兼ね合いで柔軟性がきくような形に設計しておかないと、女性にとってすごくアクセスしにくいような、優秀な女性が入っていきにくいような仕組みにしてしまうとまずいということ、そこをぜひ配慮していただくことを、お願いしたいと思っております。
以上です。
【田村部会長】
ありがとうございます。ワーキンググループで議論していただくいいテーマをご指摘いただきました。
実は昨日、教員養成で有名なある単科の大学があるんですけれども、そこへお伺いしたとき、今まで大学院の先生が学部で教えたことがないのを、今度は大学院の先生が積極的に学部で教えるという制度設計にし直したそうです。だから、やっぱり影響があるんだなという実感がありました。教員を、つまり、学部だけではなくて、大学院まで含めて養成する姿勢を持つというような動きがもう現場で出だしていると。現実にはもう、大学院を出た人が教員になっているというケースも出てきているので、そういう対応を先生方からむしろ積極的におやりになったそうですけれども、だから、それは非常に ありがたいなことだとお伺いしてきたんです。
おっしゃられるように、教育専門と一般教科の開放制ですから、それは必ず影響があるわけです。これはワーキンググループでの議論の中に出てくると思いますから、よろしく議論していただきたいと思っています。
それでは、村山委員どうぞ。
キューバの同盟国は誰ですか?
【村山委員】
このイメージ図ですが、わかりやすいといえばわかりやすいんですが、拝見して、印象として、今後の制度化の検討に当たっては、修士化ということと、専門免許状というか、校長などに将来なる、そういうためのリーダー養成と、簡単に言うと2つあると思います。そういう中でいうと、絵の描き方ですが、専門免許状のところが何か非常に大きくて、修士化のところは、ここはどういうふうになるのかなという印象を受けます。それは今後の課題ですが。
専門免許状についてですが、制度的な問題として、先ほども日渡委員のほうから話がありましたが、研修と免許とを一体化するとうたわれています。ところが、現行の免許法上では、免許は学位に連動しているはずです。専修免許、それから、一種免許� �と二種免許状と。昔は師範学校のときは、当時は、師範学校卒業であれば、同時に免許状だった。ところが、戦後、多分、開放制のもとで、学位を基礎資格としながら、免許を出す、免許を認定するとようになった、こういうことだろうと思います。
そこのところの制度的な、この、今日の絵ですと、例えば、従来、教育委員会が大変なご苦労をされて、自ら、教師の研修を法定研修などでやってきた。それがそのまま免許状になるとしたら、それは今までの免許に関するコンセプトとちょっと違ってくるのではないかと。
つまり、免許というものは、社会的に公認された、かなり幅広く認められた、一定の社会的に通用する資格だと思います。それが個々の教育委員会が主体、中心になってやる研修が、大学の講習も含めて� �いいのですが、それが直ちに免許状になるとしたら、やはりちょっと幅の狭いものになるのではないかというその問題が1つ、制度的な問題として残るのではないかなというのが1点目です。
それから、今回の絵の中で、左側に教師の年齢段階というのが書いてある。これと何となく対応していくというのが私は非常に有意義だと思います。つまり、教師になって、それが教師のライフステージの中で、どんなふうに資質、能力を上げていく、そのステップをどう区切っていくのかという、これは非常に大事なところだと思います。
そういう点では、一番左の年齢と一番右側の新しい制度のステップが、うまく合理的に意味を持ってオーバーラップしなければだめだと思います。今、教育学部の中でも、そういう教師のライフステ ージを実証的に研究されている方もいらっしゃいます。そういうことも受けて、どの段階で教師が大きく飛躍していく必要があるのか、あるいはそういう自覚ができてくるのかということをにらんで、今後、検討する必要があると。それが2点目。
それから、3点目に、さっきの、どの時点でということに関係あると思うし、今の問題にも関係ありますが、私は、教師の資質能力というと、単純に2つの側面があると。今の、年齢、ライフステージと関係がある。1つは、4年で大学を出て、新人教師になって、しかもこれから大量にそれが出てくる。そういうときに実習が、今のような免許法の状態の中で、担任も含めて大丈夫か、ほんとうに自信を持って教えられるかという、つまり、新人教員の学卒採用後の実力といいますか、力、こ れが本当にこのままで大丈夫なのか、これからの教育課題にこたえられるのか、これが1つです。
それから、ただそれだけではないと思います。その点では、今まで日本では、何だかんだいっても若い先生方が歓迎されておりまして、子供たちには歓迎されるわけです。人気があるわけです。そういう中の経験で、同僚とのいろいろな叱咤激励の中で育ってきている。若い先生方の力という、それは全部否定するべきことではないと思います。それが1つです。
もう1つは、しかし、どうも中だるみすると。大体、10年ぐらいすると中だるみするんですね。その辺でやっぱりもう1つ力をつけたいという意欲は、必ず起こってくるんですね、一般に。そういう意味で、30半ばぐらいというのが1つのポイントになると思います。
そ� ��辺に、修士化という、こういうレベルを置くのか、あるいは、まずはとりあえず新人教師はこのままじゃどうしようもないから、学卒後、とにかく修士化をすぐにやってしまうと。これは大変な制度的な転換になりますから、ものすごく財政的な負担も大きくなると思いますが、簡単に言うと、その両方の視点がある。それはこれから、いろいろ、本当に実際に先生方の力をつけるために、今後の日本の教育の課題を担うためにどういう方向がいいかという、そこから議論をして、単なる制度いじりじゃなくて、実効性のある検討をしていく必要があると思っております。
【田村部会長】
ありがとうございました。今、ワーキンググループの議論の方向性みたいなものを指摘していただいたような気がします。
清原委員、どうぞ。
【清原委員】
ありがとうございます。三鷹市長の清原です。今日お示しいただきました資料をもとに、幾つか意見を申し上げます。
1点目は、何よりも改革の基本的な考え方というのは、資料2に集約されておりますけれども、今を生きる子供たちが21世紀を生き抜いていける資質や能力を備えた人材として育まれるために、言いかえれば、21世紀を生き抜いていける資質や能力を備えた教員が育成されるべきであるということだろうと思います。あくまでも教員の資質向上のあり方というのは、常に教員の目の前にいる児童・生徒のためのものであるということを、いつもいつも原点に戻りながら議論していく必要性を感じているわけです。
そこで、具体的なことでお話しいたしますと、本日、資料3に示された新制度の 一番上に、校長、副校長、教頭の隣に、教科指導・生徒指導等の中核的教員があり、右側に教職大学院教官があります。この新制度は、やがてこうした大きく3つに類型されるような形の教員を養成していくということになるのかもしれないんですが、私は基礎自治体におりまして、教育委員会において。三鷹市では指導課といいますが、指導主事というのが大変重要だと思っております。実は、学校の教師であって、指導主事になって、また学校の教師や副校長、校長に戻っていってというキャリアパスというか、ライフステージを経ている中で、やはり先ほど来、教育委員会と大学との連携が重要であるということであるならば、遠慮なく、指導主事というのもこの中に重要な存在として置いておいてもいいのかなと現場の感覚では思い ます。
とりわけ私の場合は8年前に市長になりまして、教員から指導主事経験があり、校長になった人を教育長にお願いしているわけでございまして、私としては、大変重要な存在に教育委員会の指導主事という役割があって、それは教員経験があるゆえの難しさもあるかもしれませんが、よさもあって、そういうことが何かこの背景の中に位置づけられていればありがたいなと思います。
具体的な2点目ですが、カリキュラムの内容について、新制度においてはまだ具体的にはここでは書かれていないわけなんですけれども、基礎免許状、一般免許状、専門免許状となったときに、当然、その免許状に背景として存在するカリキュラムが位置づけられるのだと思います。
基本的なところは変わらないと思いますけれども、� �こがどう深められて、どこにどういう専門性があって、しかし、すべてに共通のものは何なのかというようなことは、本日資料2のところに一貫して流れているのが、教科の指導だけではなくて、生徒指導とか、特別支援教育とか、外国人児童・生徒への対応等、コミュニケーション能力や地域の諸団体との関係を持てる力とか、協働する力であるとか、マネジメントする力とか、それが重要であるということが、報告書を受けて、資料2には一貫して書かれているわけです。
それらが必ず修得できるようなカリキュラムの裏づけがありませんと、基礎免許状、一般免許状、専門免許状が、単なる階層にとどまらず、免許の格差というか、優劣というか、そういうものをもたらすものであってはいけないのではないかなという感じもし� �おります。私としては、カリキュラムの裏づけに、今申し上げましたような、先の報告書で重要だとされたようなものが組み込まれている上で、新制度の、本日資料3で示されたようなものの意義が初めて浮かび上がってくるのではないかなと認識しました。
具体的なもので3点目なんですが、これだけ急激に教員が退職し、そして、新たな若い人たちが採用されるという時代を迎えていて、資料3の「教員採用」という、この青い部分というのは、極めて重要だと思っています。実は三鷹市でも少数精鋭の職員で活躍してもらっていますので、まさに少数の職員を採用すべき責任者として努力しているわけですが、このたび、今年度は、20人の若干名募集のところ、当初2,000人の応募がありました。
それはどうしてかというと、採� ��時期を若干早めました。企業で採用時期がもちろん早くなる中、5月、6月が職員採用試験の佳境ですが、一般的に教員採用は7月、8月が佳境になるんでしょうか。私は、今どきの学生さんはやっぱり早く落ち着きたいと思うと思うので、教員採用の試験の時期を、どうしても夏休み等を考えて7月、8月になるのかもしれませんが、ほかの民間企業や地方自治体公務員との競争環境の中では、例えば早める手法があるでしょうし、早めるだけではなくて、これは難しいのかもしれませんが、例えば名簿に登載をしたら、早く採用先を決めて、そこにインターンとして入るとか、要するに、早目に、思いがある採用者が、現場にいて、まさにOJTを受けるというか、意欲が維持されるというか、そういうような採用時期のタイミングといいましょ� �か、それが重要ではないかなということを感じます。
これは新制度の具体的な事柄として今後議論されると思いますが、私は、教員のことだけを考えるのではなくて、資質の高い人材を教員として育てるとともに、採用するために、1つそういう時間軸を加えていただくとありがたいと思います。先ほど村山委員がライフステージあるいはキャリアデザインにかかわる年齢の重要性をおっしゃって、私も共感しております。ぜひ時間という軸を新制度には、取り組む立場の人が人生設計を考えていく上でも、ターニングポイントやそうしたものがより選択しやすいような設計にしていくと有用ではないかなと感じました。以上です。ありがとうございます。
【田村部会長】
ありがとうございました。ワーキンググループで議論していただく、非常にポイント的なところを具体的にご指摘いただいたので、非常にありがとうございます。
それでは、次に若月委員ですね。順番にお願いしたいと思います。
【若月委員】
どうもありがとうございます。
今日いただいた資料で特に資料2で感想を2点ほど、それから、あとは質問を何点かさせていただこうと思います。 まず、資料2を拝見し、村山委員のご発言の中に、大学を卒業してすぐ教員になって、これでほんとうに大丈夫なのかなという、そういった危惧もあるというようなお話もちらっとお話しになっていらっしゃいました。
まさにその点について、去年の9月ごろでしたか、私はそういう意味で、すぐに現場へ立たせないで、例えばいろいろな企業がやっているような、一定期間、1年なら1年ほど、学校の中でのさまざまなポジションを与えて、実践的な力量、資質を高めていく、そういう方法もあるんじゃないですかというようなお話もさせていただきました。そ� ��後、いろいろな議論があって、今日、資料2でこういう形で出たわけであります。
そういうのを見ますと、皆さんのいろいろなお考えでこういうふうにまとめられたので、これはこれでいいと思いますが、いわゆる修士化といったようなものが、あるいは専門免許だとか一般免許、この免許状の制度についてもこういうふうな形にしようという何か前提があったような気がして残念だという印象があります。ただ、委員の皆さんの中でお話をした中でこういう形になってきたならば、これはこれでいいだろうと思うわけですが、結局、修士化という方向で意見をまとめていこうというんだったなら、それはそれで1つの方向だという感想を持ちました。
そのときに、いわゆる大学と教育委員会の関係について、あるいはもっと言� �ば、具体的な役割や責任の問題について、ここら辺をもうちょっと具体的に書き込んでおいてほうがいいのではないかと思います。
ただ、その場合にどうしても必要になってくることは、今までの具体的な事実をどう検証するかというところから始めなければならないのではないか。修士化ということであるならば、では、学部の何が足りなかったのか、そして、教育委員会に対するかなり根強い不信をお持ちの方もいらっしゃるようですけれども、教育委員会の何が、どのようにだめなのかといったようなことを具体的に検証しなければ、大学と教育委員会のただ単なる連携だのコラボレーションだのといったところで、あまり実のある提言ができないだろう。ここら辺をやはりしっかりと今後議論をしていただければという感想� ��持ちました。
これから後は質問なんですが、こういう形でこれから、修士化あるいはそれに伴う免許制度のあり方等々についてワーキンググループ等々でもいろいろとお話しいただくので、そちらのほうにお任せするしかないわけですけれども、この具体的なタイムテーブルをどういうふうにお考えになっていらっしゃるんだろうかということが、1つ質問としてあります。
これはかなり難しい、大きな課題に取り組むわけでありますし、そうなってきたときに、どのぐらいの時間的なスパンでもって物を考えていらっしゃるのか。場合によって、これは明らかに法制度の問題にもかかわってくることになります。そうしたことから、これはまさに拙速は慎まなければならないわけでありますので、ここらのタイムテーブルを大 まかにどんなふうに考えて、最終的にこの修士化といったようなところ、あるいはそれに伴う免許制度の改定といったようなものを大体どのぐらいの先に置いて考えていらっしゃるのか、もしおわかりになれば教えていただきたいということです。
それから2点目は修士化で、これは当然義務化されるだろうと思うわけでありますから、これはちょっと先走った議論になるのかもしれませんが、義務化されたとき、これはあからさまに言えば、巨大マーケットが展開されるわけであります。何十万という教員が、その年になって義務化されているわけですから、修士化に向けて勉強するわけですね。巨大マーケットになります。
そうなったときに、こういう言い方は失礼かもしれませんが、雨後のタケノコのような感じで大学院� �ぽこぽこと出てくれば、学部の中だって、今、いろいろな問題があるのに、それがただ単に大学院、修士化というレベルに移行しただけのことならば、何の意味もないだろうと。そうすると、歯どめと言ったら変でしょうか、ここら辺の見通しといったようなもの、これもちょっと先走ったようで申しわけないんですけれども、そんなところが今、非常に気になっているところであります。
具体的な議論はこれからでしょうけれども、もし今の段階でおわかりになるのであれば、その範囲で。特にタイムテーブルを、大まかなもので結構ですので、もしご提示いただければ、していただきたいと思います。以上です。
【田村部会長】
ありがとうございます。
どうぞ、事務局から。
【日向教育改革調整官】
今、若月委員からスケジュールのご質問がございました。この審議経過報告をおまとめいただくに当たっても、いろいろな課題が示されるとともに、また最後のほうで、この資質能力向上の取り組みは、非常に時間を要する息の長い取り組みであり、今後の審議に当たっては、一つ一つの課題について丁寧に検証を行い、議論を進めていくことが必要であると書かれております。当然これを踏まえて、ワーキンググループにおきまして、具体のたたき台をおつくりいただくことになるんだろうと思います。
その時期をいつまでにどうするのかということですが、これは1つの考え方として、やはりある程度、今年度ぐらいに何かおまとめいただければと考えているところです。ただ一方で、本当に全� �まとめ切れるのかというところも、この審議経過報告をおまとめいただくときとか、また、今日もいろいろご意見をいただいておりますので、状況を見ながら考えていくことになるとは思いますが、とりあえず1つの目安としては、年度内ぐらいに1つ何かおまとめいただければと考えております。
【田村部会長】
よろしいですか。
私、個人的には、振興基本計画が並行して議論されていますから、その中のテーマにもなると思います。ですから、それが当然スケジュールとかかわってくるだろうと思います。
それから、質の低下の問題は、新制度をやるときには何回もいろいろな問題がありました。大いに参考になることはいっぱいありますから、それは十分に生かせるなと個人的には思っております。
生涯学習社会に変わるわけですから、変わっていくというところで、やっぱり大学院をもうちょっと生かさないと、日本の社会そのものがちょっと低下していってしまうんじゃないかという心配があります。全体が大学に行く時代というのは大学の質が下がってきますから、大学院でやるよりしかたがな� �かと個人的には思っていますが、またいろいろ、直接のメンバーたちのご意見を賜りたいと思います。
横須賀委員、どうぞ。
どのような状態は、雪を取得しません
【横須賀委員】
まとめというか、むしろ制度設計の具体に入る時期だということだと理解していますけれども、そうすると、もう一度確認をしておかなければいけないことがあるような気がしています。「教職生活の全体を通じた教員の」というときの「教員」というのはすべての教員、全教員を指してきたはずだと思っています。
免許制度でレベルを区切っていく、資料3の右方のイメージというのは、ややそうなっていると思いますが、そうすると、教員の中から高いレベルのものを目指す人間が出てくれば、それが教員の資質向上だという理解になる危険性、私の場合からいえば危険性ですけれども、そうなるような気がします。
免許というはしごか何かを設定すると、それを上っていく人間はどのぐらい出てく るかで資質向上をうたうと、そういう単純な話はしていなかったと思います。やはり全部の教員がしっかり学んでいくという、そういうプロセスを生涯にわたってどうやってつくっていくかという、そのことと免許はどう関係しているかというふうに議論してきたし、そう設定すべきではないかと。免許の階段のほうを先に考えるようなことになると、これは間違えてしまうのではないかなという気がします。
そのことにかかわっていうと、現行制度の中に免許更新制度ができてまだ3年目を迎えたところであり、この部会の場でも根本的な批判をなさった方もおられる。確かに制度としてまだまだ欠陥はあると思うんですが、今言った私の問題意識からすると、全教員を対象にしているという点で、免許更新制度あるいは免許更新講� ��というのは生かしていくべきものだと私は思っています。
ですから、この図のことをいうと、真ん中の白いところから右側では免許更新制度あるいは講習というふうなものが消えてしまっている。別に消したわけではないと思うんだけど、消えてしまっているということは、もし全教員にかかわる意識がもし弱いんだとすると、ちょっと心配だと思います。いろいろな改善を加えながら、生かしていくべき制度なんじゃないかと私は思っています。それがやっぱり全教員にかかわるということの大事さという気がしています。
それからもう1つは、免許の種類が問題になって、それと研修とを結びつけるということになると、どうしても大学とか大学院とかということが出てきてしまう。だけど、ほんとうは教員の資質能力向上 のイメージというのは、私は生涯学び続ける教師をどのぐらい生み出すことができるのかということにかかっていると思います。どんな職業だって、それは生涯学び続けていくわけですけれども、教師という職業は、学ぶ世代を扱っていかなければいけないという宿命を持っているわけですから、この人たちが自分の学びを放棄したら、本当はそこで教職というものは終わっているわけです。
学びというのはまたいろいろな種類があって、確かに大学に行って、また大学院に行って、何か高度なことを専門的に勉強するという学びもあります。それを否定する気もないし、大事だと思うけれども、やはり教員が学ぶというのは、学校という職場あるいは学びの場、そこで学ばないと本当の学びにならない。形の上で学歴がついたとか� �ある種のことがうまく言えるようになったとか、そういうことではないのではないかと思います。
ですから、教育委員会の問題も先ほどから出ていますが、やっぱり大学とか教育委員会とかそういう制度は大事で、それを否定しているわけではないけれども、そこのところが何か中心になって教員の学びということをいうと、やっぱりちょっとどこか間違えてしまう。あくまでも学校という現場で学べる仕組みを大学や大学院や教育委員会がつくるというふうに考えていかないと、大事なことが抜けてしまうのではないかなという気が私はしています。
まとめに入るに当たって、やはり全教員だということ、免許更新講習をやっぱり生かしていく手立てを考えなければいかないのではないか、学ぶ拠点はやっぱり一つ一つの学� �だということを確認したいなという思いでおります。
【田村部会長】
ありがとうございました。非常にいいご指摘をいただきまして、ワーキンググループの議論はこれでかなりプラスになったと思います。
安西委員、どうぞ。
【安西副部会長】
資料2でございます。資料2の上から3つ目の箱に、これからの学校教育は、1.上記諸課題の対応や、2.一斉指導を行うだけではなく、個別化や創造的・協働的な学習活動を実施し、地域の力も活用し、学びの転換と教育の質の向上も求められていると。その次に矢印があって、4番目の箱に行きまして、これからの教員は、教職活動の一連のプロセスを高度にマネジメントしながら、実際に遂行する力や他の同僚としてチームとして対応する力が必要と、こういうふうにまとめられております。この3番目の箱と4番目の箱の間はかなりギャップがあるような気がします。
と申しますのは、学びの転換、教育の質の向上が求められているということであれば、一体その内容がどうであって、そのことから教員の� ��質が今後変わるのかどうか。今までの教員の資質と違うというふうに読めますけれども、それが変わるのかどうか。もし今までの教員の資質とこれからの教員の資質がある部分変わってくるのであれば、免許制度、研修制度等々、あるいは採用の基準にそれがどういうふうに反映されていくのかということを検討していただかなければいけないのではないかと思います。
今、横須賀先生のおっしゃった学び続ける力というのは、私も非常に大事だと思いますけれども、研修制度等々で一体どうすれば具体的に教員の資質向上のために具体的にそれができるのかということについて、それは1つの例でございますけれども、検討する必要があるのではないかと思われます。やはり制度設計をすることはもちろん結構なんですけれども、� �度設計をするときに、今申し上げたようなことについて、一方で検討していただかないと、中身が抜けるように思います。
質問としては、3番目と4番目の間をどういうふうに思われているかということは質問としてさせていただきたいと思います。
【田村部会長】
ありがとうございました。
事務局からどうぞ。
【日向教育改革調整官】
3番目と4番目の間が抜けているのではないかというご指摘でございますが、実は審議経過報告の中で、教員が身につけるべき資質能力について、教職生活の段階ごとに分けて考えて、ある程度基準みたいなものをつくっていくべきではないかというご指摘もいただいております。そのこととあわせて、場合によってはワーキンググループでのご議論のときに埋めていただくような作業をお願いできればと考えております。
【田村部会長】
そういうことでよろしいでしょうか。一斉も大事だけれども、個も大事だということで、その部分はやっぱり意識して今回はやりたいという、これは安西委員と私も全く同意見なので、できたらやりたいなと思っておりましたので、ぜひひとつお願いしたいと。
それでは、大変申しわけありませんが、時間がもうそろそろ来てしまいましたが、なるべく短い時間でご発言をお願いします。大江委員どうぞ。
【大江委員】
2点です。1点は、この資料の根底に、実践的指導力という文言がございます。これにつきまして、教員の資質能力という部分について、もう少しわかる資料など、概念規定を示すことが必要かと思っています。当然これは学習指導、生活指導、進路指導という基本とわかっておりますが、やはり今、一番頓挫するのは、人とかかわる力という部分が非常に不十分である。教員の資質という場合、これは幼稚園から大学の先生まで含めて、教員の資質として何が必要かという部分を十分議論する必要があるのではないかと、そんなふうに思っています。これは意外と、明確なようで、研修の実施機関まで行きますと、じゃあ、どういう資質を育成するのかという部分が不明確なまま研修が行われているでのはないか、そ んな危惧を感じるのが1点目であります。
2点目です。今、何が問題かというと、一番の懸念事項は、教職を目指す人材の枯渇であります。今後検討されていくと思うんですが、教員の養成期間の延長をするとか、現行の免許更新制度をそのまま継続するという方法では、かえって人材確保を困難にさせていくのではないかという思いを持っています。
若月委員が先ほどおっしゃっていましたけれども、私も同感でありまして、例えば採用して、1年目を定数外で職務につかせながら育成していくという方法もあるのではないかと。定数内で職務につきますと、研修する時間も全くないという現状があります。
それから、30代で重い研修が待ち構えてございますが、この時期の教員に、果たして現実的に研修に行って、免許更� �制度に行って、職務の多忙化の中でそういうふうなことが全員にできるのだろうかというふうな危惧を感じるわけであります。特に女性教員についてはちょうど出産の時期を迎えるわけでございまして、その辺の課題も今後また検討する必要があるかと思いますが、実現可能な制度にするためには、学校の現実を踏まえて率直に議論する必要があるのかなと、そんなふうに思います。
最後に、これは希望でございますが、計画をしっかりつくって、予算がつかないということがないよう期待したいと思っています。以上です。
【田村部会長】
予算がつくというつもりで議論いたしましょう。
布委員、どうぞ。どうぞお願いします。
【布委員】
今回準備していただいた資料を見させていただいて、いろいろな立場で考えてみましたので、そのことをお話させていただきます。
今、大江委員も話されたように、これから教員を目指す子供たちをどう増やしていくかということは大切です。が、あえてこれから教員を目指すかもしれない子供を持つ親の立場で少し発言させていただきたいと思います。
もし今提案されていることの方向性がはっきりしなければ、これから教育学部や教員養成大学に行くべきなのか、または専門学部に行くべきなのか。このイメージ図からいけば、修士を出ることが必須なら、どの分野で修士を取ることが必要なのかということを親として見通しを持ってアドバイスが必要なときにできるよう に理解していかなければなりませんし、これから教員を目指そうと思っているような高校生、大学生たちに親の立場でどのようにすればいいのか、とても悩みます。
また、経済的にゆとりがないとしたら、学部卒の段階で採用は困難だから、教育ローンを組んででも行きなさいと言えばいいのか。それとも、本当にこの制度が確立されて、大学院に行ったら必ず採用されることが確実であれば、そう言って勧めることができます。 また採用される確率が上がるのであれば、大学院に行くこ とを勧めることができます。学部卒でひとまず採用されたら、その後、自己負担でこれから大学院に行かなければいけないのか。このあたりが見えてこないと、本当にこれからの高校生、大学1年生、2年生の子供を持つ親の立場でいけば、どうしていったらいいのかわからない。経済的なことというのは、高校生を持つ親が進学を 考えるときには本当に大切な問題だと思っております。
2点目ですが、これから教員を目指す高校生、若手の教員の立場で考えてみました。お金と時間をかけて、大学院へ行ってまで目指したいと思える仕事が教員なのか、それともそれに見合う収入や安定、社会的な地位は得られるのか。今、この時代にあって、これから何を目指していこうかという人にとってみれば、教員とい うのは、職業選択における1つの選択肢だと考えます。
3点目、学校現場にかかわる視点で少し考えてみました。採用に関わる点です。大学院を出られた先生方が、教員免許を取ったということで、臨時採用や非常勤講師という形で、現場で実践していらっしゃいます。だから実習をしたからといって、いい先生に向いているかどうかということはわかりません。むしろ人材のミス マッチや、現場で必要とされる人数の調整の役割をになってきた一面があるのではないか。学位の高いことが教員としての質の高さを担保していることにはならないと感じます。学位をとることが教員の生涯のを通した生活になんらかのわかりやすいイメージがないと、このままでは現場がとても混乱をするのではないか。
何人か私の知っている先生方に大学院を出られた方がいらっしゃいますので、日頃から色々お話をします。教員の世界では、管理職とそうでない教員の間には給与の面で差がありますが、院を出たからということでは差がないということを知りました。そこで「大学院を出たことで、給与に差があるとしたら、院へ行きますか 」という質問を少ししてみました。そうしたら、「そんなことはない。給与ではなく、自分が学んだスペシャリストなものが仕事として生かされるかどうか、人事的な配置がなされるかどうかが、現場でのこれからを学んでいこうという意欲につながっていくかどうかが大きいんだ」という話を伺って、本当にここで議論されている ことは大事なことだと強く感じました。
以上です。
【田村部会長】
ありがとうございました。とてもいいお話をいただきました。
それでは、露木委員、どうぞ。
【露木委員】
今回からこの席に座らせていただいておりますので、これまでの議論については審議経過報告等を読ませていただいた範囲なので、多少これまでの筋にのっていない話になってしまうのかもしれません。お許しください。
まず、専門免許状というところで一番気になったのは、今も管理職を志向しない教員、あるいはそういった職員が非常に増えております。管理職になるに当たっては、これだと専門免許状を取らないと、校長や副校長あるいは教頭になれないというようなそんなような道筋に見えるわけです。やはり子供とかかわって、子供の指導に当たっていたいと、そういう部分で力を発揮している教員も多いわけですけれども、今回のこのイメージ図で見ると、専門免許状を取るという教員は一体どの ぐらいいるんだろうかと、多少不安になったというのが率直な感想でございます。
それからまた、2点目ですけれども、一般免許状を取ってきた修士レベルの者と基礎免許状を取ってきた者とが現場に立ったときに、これは先ほど来、話には出ておりますけれども、専門的な知識が高いから、即、それで教職に向いているかどうか、あるいは教職をどんどん全うしていくか。
やはり先ほど来、教科経営とか生活指導とか児童理解とかそういったものが若手の教員には必要なわけですが、そこからさらに今度、経験を経た中で、学校運営能力とか識見を高めるとか、そういったことがだんだん必要になってくる。また、そういう教員になってほしいと管理職としては思っているわけですが、特に初めから一般免許状を持って入って� �た教員、そういった者は、どういう機会にそういった資質を免許の上で伸ばしていくのか。免許のこの3つの段階と教員の資質向上の部分というのが本当につながるんだろうかというあたりが、これではまだ十分理解できないと感じたところです。
最後、3点目ですけれども、専門免許状を目指さないような人間がいっぱいいる中であれば、やはりこれまでの10年置きの免許更新というのは、これはやはり大変生きるのではないかなと思います。現場でやっぱり子供と向き合っているのがいいんだと思っている教員も、やはりこれは知を新たに更新していく必要はあると思いますけれども、もし専門免許状を目指さないとなると、そういう機会がこの研修の体系でいうとなくなるのではないか、資質能力の向上の体系ではなくなってくる んじゃないかということを感じました。
【田村部会長】
ありがとうございます。
それでは、中西委員、どうぞ。
【中西委員】
ワーキンググループへのお願いということになろうかと思いますけれども、今ほど露木委員もおっしゃいましたが、まず、一般免許状と基礎免許状の関係性というのがやっぱりまだよくわからない面がかなり強いと思うので、基礎免許状が、初心者マークみたいなふうに思われるような免許になってしまってはこれまた困ると思いますし、でも、現実としてそういうことがあるのかなということもありますので、その辺の関係性をどうするかということはひとつ議論を深めたいなと思います。
それから、教育委員会と大学の連携というのはもう既に教職大学院等でいろいろおやりになっていて、ただ、それでも課題はいろいろあるでしょうけれども、それと同時に、大学同士の連携あるいは連合という、そうい うような視点も必要になってくるのかなと。もし新たな改革をすることになれば、そういう視点もあっていいのかなと思います。
それからもう1点、財政的な問題、これを多分、事務局のほうではあまりやりたくないのかもしれませんけれども、やっぱり幾つかの選択肢を示すのであれば、これをするのであればどの程度費用はかかるというようなことも示していただかないと、絵にかいたもちになってしまう可能性が高いので、やはりその辺の視点も忘れないでいただきたいと。 もう1つ最後に、これは審議経過報告、中間まとめでも出ておりますけれども、優先的に取り組めることは何なのかと。例えば管理職の養成の問題なんかはやっぱり喫緊の課題だと思いますので、何らかの形で新しいものを打ち出していただきたいと思い ますし、そういう視点も残していただきたいなと思います。以上です。
【田村部会長】
ありがとうございました。これからワーキンググループが進めますので、いいご指摘をいただきました。
佐久間委員。どうぞ。ここで一応切らせていただこうと思っています。
名前オレゴン州はどこから来たのか?
【佐久間委員】
さっき横須賀委員がおっしゃられた、全教員の資質能力向上ということですけれども、資料3等を見ても、幼稚園教諭の資質能力向上というものはやっぱり視野に入っていないという思いを持っています。幼稚園教諭も、この流れの中で専門免許状までということ、あるいは修士レベルというところまで考えておるならば、それこそ幼稚園教諭は枯渇すると言わざるを得ないということになると思います。
現在、短期大学を卒業した幼稚園教諭が8割ぐらいでありますし、その人たちによって幼稚園はもっていると。幼保一体化の中で今後の状況はわからないのでというふうに審議経過報告では述べておりますけれども、幼稚園の教諭の資質能力向上があいまいな形で、この1つのイメージ図のような形で進みま すと、結果としてどうなってくるのかと。 それから、今の幼保一体化のほうも、結局は幼保3分割といいますか、幼稚園もそのまま残るという方向で落ちつきそうな感じがあるわけであります。もしここで書かれているのが小学校以上の教員であれば、私はそれなりに検討の余地としてはいいと思いますが、幼稚園教諭をどうするのかということを明確にしないと、後でちょっと混線するのではないかと思います。
それから、大学は基礎免許状で、基礎免許状は初心者マークというふうな指摘がありましたけれども、現在、短期大学でも二種免許状が取得されているわけですが、初心者にもいかない、素人だということになるわけです。短期大学での免許はもう取得できないというふうな形で、最低、大学という形で今後いくのか、� ��れとも、短期大学で今のような状況の中で、まずは2年間、自分の生まれているそういうところで免許取得のために学び、その上でまた編入学をして大学で基礎免許状を取り、そして、ゆくゆくは専門免許状も取るかもしれないという道を残すことになるのか、その辺もぜひご検討いただければと思います。以上です。
【田村部会長】
ありがとうございました。現行制度との整合性ですね。これはまたワーキンググループで議論をしながらまとめていくよりしょうがないかなと考えておるところでございます。
時間でございますので、次のテーマでございます、基本制度ワーキンググループの設置についてのテーマに移らせていただきます。 事務局から説明をお願いいたします。
【日向教育改革調整官】
それでは、資料4を御覧ください。先般の特別部会の際に、今後の進め方ということで、ワーキンググループをつくるということについておおむねご了解をいただいたわけですが、具体的に設置紙をご用意させていただきました。
設置の目的といたしましては、審議経過報告に基づく専門的な調査、審議を行い、より具体的なご議論をしていただくということでございます。
委員につきましては、座長、委員を部会長から指名をいただいてはどうかと。
検討事項は、制度の具体的なあり方についてということでございます。
設置期間そのほかの事項については、御覧いただいているとおりでございます。
簡単ではございますが、以上で説明を終わらせていただきます。
【田村部会長】
ありがとうございました。
ワーキンググループのメンバーを、規定がございまして、部会長が指名するということになっておりますので、この場で指名させていただきます。
ワーキンググループの委員としては、岸田委員、高岡委員、高桑委員、長南委員、日渡委員、松木委員、村山委員、横須賀委員。座長は横須賀委員にお願いしたいと考えております。なお、安彦委員、安西委員、両副部会長と私の3人も適宜参加させていただこうと考えておりますが、よろしゅうございましょうか。
どうぞ、吉田委員。
【吉田委員】
そうすると、あくまでも私学関係ということは、公立のそれを基準に考えるということで、私学のことはまたこれができてから別にということでよろしいんですか。
【田村部会長】
私学にかかわって非常に重要な問題が出てくるだろうと思いますので、そのときは適宜ご意見を賜るような機会をつくりたいというふうに、これは横須賀委員にお願いをしたいと思っています。
【横須賀委員】
今の段階で、公立のことだけをやるんだと、私立は別ですというふうに決めるわけにはいかないと思います。
【田村部会長】
そうです。今、横須賀委員がおっしゃったとおりでありまして、基本をつくってしまいますから、その流れの中で私立をどういうふうに位置づけるかという、その部分が議論の中に出るかどうかという、こういう話だと思いますので、それでよろしゅうございますか。
(「異議なし」の声あり)
【田村部会長】
では、続きまして、資料5、第2期教育振興基本計画策定につきまして、事務局から説明をお願いします。
【森友教育改革推進室長】
資料5-1、5-2に基づきまして、教育振興基本計画の関係の状況についてご説明をいたします。
まず、第2期教育振興基本計画につきましては、去る6月6日に開催されました中教審の総会におきまして、文部科学大臣からその策定について諮問がなされたところです。
資料5-1の38ページを御覧ください。現行の計画の概要です。38ページの中ごろにありますが、基本計画そのものは、ご案内のとおり、教育基本法第17条に基づきまして策定をしている計画です。10年先を見すえた5年間の計画として策定をしておりまして、現行の計画は平成20年度から24年度までの計画です。地方公共団体におきましても、政府の計画を参酌して計画を定める努力義務が課されております。
また、39ページか� �42ページにありますように、計画におきましては、今後5年間に取り組むべき施策につきまして、基本的方向の1から4として、考え方、施策を整理しております。基本的方向1につきましては、主に地域社会・家庭とのかかわりなどに関する内容です。また、基本的方向2は、主に初等中等教育関係、基本的方向3は高等教育関係、基本的方向4は耐震化や就学機会の確保等教育環境の整備に関する内容となっております。
最初に戻りまして、2ページを御覧ください。諮問理由でございますが、1段落、2段落目で、現行計画の状況を記述しております。また、3段落目以降で、少子高齢化とかグローバル化の進展、あるいは経済的格差の増大、地域社会のつながりの低下といった現在の社会状況について言及しております。また、3ページの2段� ��目で、今般の震災の状況について記述をしております。
審議の事項といたしましては、同じページ、3ページの一番下の段落ですが、生涯学習社会の実現を目指して、家庭、地域の教育力の向上や、初等中等教育から高等教育に至ります学校教育の充実など、教育振興のための基本的な方針及び諸方策を明らかにしていただきたいというものです。
次のページですけれども、その際、社会状況の変化とか、現行計画を踏まえた施策の実施状況、さらには今回の震災が社会全体に与える影響などについて検証、評価した上で、マル1からマル3とありますが、生涯を通じて学習の機会を確保する、自立し、ともに生きるための知識や能力などを身につけていくための方策、教育を通じて社会のきずなを再構築する方策、グローバル化� ��中で社会全体のイノベーションを創出する人材を育成するための方策などの点が重要であるということについてご留意いただきたいということを記述しております。
続きまして、現在の計画の進捗状況を7ページ以降、現行計画のフォローアップということで資料をつけしております。ページが多うございますので、ほんの一部をかいつまんでご説明申し上げます。
21ページを御覧ください。教員の関係ですが、21ページの上のほう、教員が子供一人一人に向き合う環境づくりというのがあります。これにつきまして、現行の計画では、教員配置の適正化を図るといった記述があります。進捗状況といたしましては、そこの記述にありますように、平成22年度、23年度で定数改善を行いまして、特に23年度におきましては、小学校1� ��生の学級編制基準の引き下げを行っています。今後の取組といたしまして、その囲いの中にありますが、さらなる定数改善の推進、専門スタッフの充実が必要ということにしております。
また、教員の資質の向上につきましては、平成20年度から教職大学院の創設をいたしまして、理論と実践の融合した教育を実施していると。次のページに参りますけれども、現在、中教審で教員の資質能力向上方策の総合的な検討が進められているということでございます。
今後、中教審の特別部会におきまして、教員養成の修士レベル化、教員免許制度の見直し、専門免許状の創設などの具体的な内容について審議をしていくと。答申等を踏まえて、また検討を行っていくことが必要といった記述になっております。
次に、資料5-2の1 ページを御覧ください。「現状」と書いているところに、今の社会状況の整理をしております。その状況を踏まえた課題、目指すべき方向性等を真ん中に書いているものです。
例えば、左側の1.から5.がありますが、少子高齢化につきましては、生産年齢人口の減少とか社会保障給付費の増大などについて記述をしております。
地域社会の変容につきましては、核家族の増加、離婚・単身の増加、地域からの孤立などについて言及しております。また、社会格差の増大につきましては、教育費の家計負担が大きい中で、低所得層の増加傾向があると。家庭の経済状況と進学に一定の相関関係が見られるということとか、卒業後の就労形態にも影響が見られるということ、こういった中で、教育格差が社会格差につながって、格� ��の再生産という問題が指摘されているということについて言及しております。
また、産業構造・雇用変化につきましては、日本の国際競争力の低下とか、経済のサービス化の進展、非正規雇用の増加、企業の人材育成能力の低下等について記述をしております。グローバル化につきましては、世界の貿易規模が大きく拡大する中での日本の地位の低下とか、日本人の内向き志向等々について指摘をしております。
真ん中の黄色のところがあります。3つの方向性として、社会への参加保障、社会のきずな、イノベーションを記述しておりますけれども、こういった現状がある中で、一人一人の付加価値を高める、安心して子供を産み育てる環境づくりをしていくコミュニティーの再構築、きずなの再構築といったこととか、成長 分野の担い手の育成、新たな社会的経済価値のイノベーションとか、異文化との共生等々、そういった課題、方向性があるということで整理をしております。
全体の右側のほうに「ソフトパワー増大」と書いておりますが、こういったそれぞれの社会状況に対応している課題がある中で、経済をよくしていって、持続可能な社会の好循環を構築していくと。そういったために教育の果たす役割は大きく、教育の機会、質を保証していくことが必要だというような形で整理をしている資料です。
2ページ以降は、先ほど申し上げました、現状にかかわるデータを分析した資料をつけしております。
また、同じ資料の8ページですが、創造的復興のイメージということで、特に今回被災をされました岩手、宮城、福島の被災3県の� ��況を分析している資料です。こちらの左側に状況、これは震災前の状況です。例えば人口の減少率とか老年人口の割合が、特に岩手、福島が全国平均を上回っている状況があるということとか、その下の地域社会について見ますと、例えば学校のボランティアとしての参加意識とか、三世代家族等の割合は全国を上回っていると。地域社会のきずなは比較的高いのではないかといったデータでございます。
他方で、その下の所得・雇用状況につきましては、全国を下回る状況にありまして、財政力指数は、宮城を除いて、全国を下回る状況でございます。
今回の震災によりまして、これらの状況にさらに拍車がかかるということが懸念されております。また、細かな状況は記述のとおりですが、先ほど1ページのところでご説明 申し上げました全国の状況が、顕著にあらわれているのではないかと言えます。
そういった中で、今後考えられる方向性としまして右に書いておりますが、3点あります。これも先ほどの全国状況の資料と同じような、考え方としては基本的に同様のものとして整理できるのではないかということです。
その次の9ページです。こういった3つの方向性などを踏まえて、具体的に今回の震災を教訓といたしまして、どのような施策を全国的に展開していくべきかということで記述をしております。
基本計画部会におきましては、今回の大震災が社会全体に与えた影響の大きさも踏まえまして、当面、夏ごろまでには、現行計画への取り組み状況なども参考としつつ、大震災を教訓にして、今後教育上重視すべき事項について整� ��する方向で審議が進められることとなっております。今後、被災県の教育委員会とか大学なんかからもヒアリングすることを予定いたしております。以上でございます。
【田村部会長】
ありがとうございました。
それでは、このご説明につきまして、何かご意見、ご質問はございませんでしょうか。
どうぞ、村山委員。
【村山委員】
先ほども出た話ですが、ぜひこの教育振興計画の中で、今までも項目としては出ていますが、我々が議論している資質能力向上について、大きな方向を、例えば今の1ページ目の絵のどこかにきちんとはまり込むようなぐらいの位置づけを今後していただきたいと思います。
そのぐらい大きな位置づけをしなければ、なかなか修士化の問題にしても、免許制度の改革にしても、そう簡単には進まないと思います。やはり今、日本の社会構造全体が変わらなければならないときに、教育こそがその最大の武器だ、力だという意味で、そのためには教師の力をどうするかという脈絡で、がちっと位置づけていただくようなことをお願いしたいと思います。
【田村部会長】
ありがとうございました。私もほぼ同じ意見でございます。ありがとうございました。
ほかにはいかがでございましょうか。
どうぞ、お願いします。安彦委員。
【安彦副部会長】
先ほどの議題1と関わって、方策の方向性ということで具体的な策が6点ほど挙がっていたわけですけれども、むしろその全体をくくる原理といいますか、「方向性」という言葉が出ていますが、その方向性を言語化した枠組みといいますか、6つの、あるいはさらにほかにある幾つかの具体的な部分をいじるときの原理といいますか、それが欲しいと思います。
個別のことはわかりますけれども、それをどの6つもすべて整合的に進めていける、統一した方向性をあらわす原理を、例えばプロフェッショナルスタンダードといいますか、そういうようなものをぜひ明確にして、今後の日本の学校教育の必須条件である教員養成を、1つの方向性としてそういう原理のもとにはっきり打ち出すというようなことを� ��本計画のほうにも明快な形で入れられたらとお願いしたいと思います。
【田村部会長】
ありがとうございます。
いかがでしょうか。ほかにはご意見ございませんでしょうか。
それでは、この件につきましては、継続的に振興基本計画の議論が展開していきますので、文章等でお寄せいただいければと思いますので、ご意見があれば、ぜひ賜りたいと思っております。
それでは、次に、情報化ビジョンというのがございまして、これにつきまして、資料6がお手元にあると思うんですが、これもとても大事なテーマなので、事務局からご説明をお願いいたします。
【齋藤参事官】
お手元の資料6-1と6-2に沿ってご説明いたします。資料6-2が、4月28日に文部科学省から発表いたしました「教育の情報化ビジョン」です。資料6-2の81ページを御覧ください。このビジョンの策定に先立ち、昨年の4月から、鈴木寛副大臣の主催のもとで、「学校教育の情報化に関する懇談会」をこの1年間開催してまいりました。
設置目的は、初等中等教育段階の情報化に関する総合的な推進方策について、有識者等との意見交換等を行うということで、対象は初等中等教育段階です。
82ページ、83ページですが、懇談会の座長には、本特別部会の委員でもあります安西委員に就任していただきました。昨年4月から本年4月までの間、12回にわたってご議論をいただきました。
84ページ以下にありま� ��ように、ワーキンググループを3つ設置いたしました。88ページになりますが、3つのワーキンググループ――教員支援ワーキンググループ、情報活用能力ワーキンググループ、デジタル教科書・教材、情報端末ワーキンググループということで、延べ14回にわたってご議論をいただきました。
さらに、89ページ、90ページにありますように、文科省が行っておりますウエブサイト「熟議カケアイ」も活用いたしまして、教育現場にかかわる方々のご意見を募集いたしました。
そういうことで、この4月に「教育の情報化ビジョン」を策定したわけですが、内容につきまして、資料6-1のA3の1枚物でご説明いたします。
まず、21世紀を生きる子供たちに求められる力は何なのかということから考えをまとめております。決して情� �化ありきということではなくて、こちらの特別部会の審議経過報告あるいは本日の資料2にもありますような、基本的な考え方は同様のものとは思っております。一言で申し上げますと、生きる力あるいは情報活用能力をつけていくことが必要であろうと考えております。
その力を子供たちにつけさせるために、教育の情報化が役割を果たすことができるのではないかということです。「学びのイノベーション」と名前をつけておりますけれども、ICTを活用して、これまでの一斉指導による学び(一斉学習)に加えまして、子供たちの一人一人の能力や特性に応じた学び(個別学習)、あるいは、子供たち同士が教え合い、学び合う協働的な学び(協働学習)を一層推進することができると考えています。
このイメージですが、A 3の資料の次に、ICTを活用したこれからの学びということで、それぞれ一斉学習、個別学習、協働学習といったものがどのように行われるかということのイラストを添付しております。
A3のほうに戻っていただきまして、具体的に、では、どういった方策を打っていく必要があるかということで、いわゆる教育の情報化3局面というのがあります。中段ですが、情報教育、教科指導におけるICTの活用、校務の情報化、こういったそれぞれの側面におきまして、方策を述べております。
特に真ん中の「教科指導におけるICTの活用」というところですが、子供たち一人一人の学習ニーズに柔軟に対応でき、学習履歴の把握・共有等を可能とする学習者用デジタル教科書、これは子供たちに1人1台ずつの情報端末の上で子供たちが学習する コンテンツ、デジタル教材のことを申しておりますが、そういった学習者用デジタル教科書、情報端末等について総合的な実証研究を行うことが必要と考えておりまして、本年度予算で学びのイノベーション事業という実証研究を行うことを考えております。
先ほどの資料6-2の67ページを御覧いただきますと、一番上のところですが、今年度は、特に、小学校10校の理科、社会につきまして、これは5年生、6年生を対象、中学校は英数国、1、2年生を対象に8校、それから、特別支援学校につきましては障害種別に2テーマ2校ということで、合計20校で総務省のフューチャースクール推進事業とも連携いたしまして実証研究を行っていこうと考えております。
なお、※1のところに小さくございますように、小学校4年生と5年生の小学 校の算数と国語、外国語活動(英語)については5、6年生の学習者用デジタル教科書を既存コンテンツについて、平成22年度補正予算により開発を行っております。こういったものにつきまして、学校種、発達段階、教科等に応じまして、それぞれの効果検証とか指導方法等の開発を行っていきたいと考えております。
A3のほうに戻っていただきまして、教員への支援のあり方ということについても整理をしております。真ん中よりやや下のところですが、教員の方々には、子供たち一人一人の能力や特性を把握し、これらに応じた学習を生み出す役割は、プロデューサーのような役割が一層期待されると考えております。教員の研修、養成、採用と、ICTを活用した指導力をつけていただくためには、そういったものが重要であると考� �ております。
特に本特別部会との関係で、資料6-2の本文に戻っていただきまして、28ページの丸の2つ目でございます。「現在、中教審において、教員の資質能力の総合的な向上方策について検討されているところであり、この中で、情報教育、教科指導における情報通信技術の活用、校務の情報化の観点から、教員の免許の在り方等の課題について、十分検討する必要がある。今後、中教審における検討を踏まえつつ、教員養成を行う大学院や教職大学院等においては、教育委員会や教育センター等とも連携し、これらの課題に対応する新たな教員養成カリキュラムの開発やそれに基づく効果的な履修体制の構築等を図る必要がある」としております。
文科省といたしましては、教育の情報化に関しましては、今後、学びのイ ノベーション事業の実証研究を進めていきまして、さらに、仮称ですが、学びのイノベーション事業推進協議会を設置して推進していく予定ですが、本特別部会のほうでも、今申し上げたような点について、よろしくご検討いただければと考えております。ありがとうございます。
【田村部会長】
ありがとうございました。
それでは、ただいまのご説明につきまして、何かご意見、ご質問ございませんでしょうか。
どうぞ、吉田委員。
【吉田委員】
実質的には、これで見せていただくと、2020年実施云々ということですし、それから、14ページにありますけれども、今後いろいろな環境整備のための予算等、費用負担のあり方についても研究するということですけれども、基本的にこういう新しいものをやる際に、今現在、公立学校と私立学校を比較した場合に、例えば電子黒板1つとっても、私立学校の場合には2分の1補助という1つの大きな壁があります。こういうものを国で決めるんだとした場合に、当然ながら、公立も私立も同等に機器云々についても費用負担は考えていただけるような発想のもとで進んでいるのかどうかだけ確認させていただきたいんですが。
【田村部会長】
よろしいでしょうか。お答えできる範囲で。
【齋藤参事官】
費用負担につきましては、公立の学校につきましても今後どのように負担していくか、なかなか難しい問題があります。国と地方の役割分担を踏まえ、実証研究等を踏まえ、これから検討していかなければと考えておりまして、それと同様のことが、公立であろうと、私立であろうと、今後検討していかないといけないと考えています。
【吉田委員】
結局、私立の場合は、何があっても今のままでいかれますと、公私間格差というのがありまして、2分の1を国が出していただいたとしても、2分の1が保護者負担ということであれば、また授業料格差が広がるだけなんです。それを我々はずっと言い続けているんです。
例えばの話、教科書は今、小中は無償化されています。そのことを考えれば、こういうことを国で決めるんだとすれば、きちっとできるはずですので、前提としてやっぱり費用負担に格差が出ないということを頭に入れた上でこういうことをやっていただきたい。ただ、絵にかいたもちで理想のものをやって、私学は自分のところでお金を用意しろというのだったら、私学はこれからは置いていかれる一方になりますので、ぜひその辺しっかり� �考えておいていただきたいと思いますので、費用負担云々の件も忘れずに入れておいていただきたいという願いを一言つけ加えさせていただきます。
【田村部会長】
ありがとうございました。ひとつどうぞよろしく。おできになる範囲でひとつ考えてお願いしたいと思います。これ、今、真摯なる願いですから。
清原委員、どうぞ。
【清原委員】
三鷹市長の清原です。
ただいま「教育の情報化ビジョン」を具体的に実現していく際に、公立と私立の格差がないようにというご発言がありました。公立でも、いわゆる地方交付税の交付団体と不交付団体では差がありまして、そのあたりは、国が文部科学省として進めるだけではなくて、政府全体として、次世代の子供たちに対してどのように情報通信技術の環境を提供し、それを活用する能力をはぐくんでいくかという方針の問題だと思います。政府にはIT戦略本部もあることですから、文部科学省だけの課題としてとらえず、ぜひ政府全体の取り組みの中に、公立私立間の格差のみならず、地域格差が起こらないようにというところを強く主張していっていただければなというのが1点目です。
2点目 は、実は今回、このいただきました教育の情報化ビジョンというのは、もちろんモラルとか、あるいはセキュリティーの問題とか、そういうことも踏まえた上で、どちらかといえば、子供たちが主体的に情報活用能力を生かせる環境を、教師もともに活用しながらつくっていくというトーンで書かれております。
先ほどの議題でございました、資料5-1の第2期教育振興基本計画の中でも、情報化に関して触れている点はあるわけですが、例えば資料5-1の8ページでは、青少年を有害情報から守るための取り組みの推進というところが具体的な項目として紹介されています。これは非常に重要なポイントで、議員立法で制定された、青少年が安全に安心してインターネットを利用できる環境の整備等に関する法律を受けて、文部科学省� �積極的に、子供たちが加害者にも被害者にもならないような取り組みを、例えばセーフティー教室とか、あるいは具体的な授業の展開の中で推進をされているわけですが、これはむしろ情報社会の中の負の部分をどう子供たちに与えないで取り組んでいけるかということで紹介されております。
その中に、携帯電話以外のスマートフォンや携帯ゲーム機、地デジ対応テレビなど云々とあるように、実は「教育の情報化ビジョン」をまとめられた直後にもまた新しい技術革新が進んでいて、実態としてはなかなか教育の現場で最新の情報機器をそろえながらしていくということだけが「教育の情報化ビジョン」で描かれている内容ではないのではないかとも拝察するわけです。
重要なのは、機器が技術革新していたとしても、い� �に子供たちが主体的に情報通信技術を利用し、その悪用をする立場にはならずに、また被害者にならないようにしてくかという、総合的な力がこのビジョンの目指すべき方向性だと思います。幾つか具体的なモデル事業なども総務省と連携してされていくようですけれども、ぜひこの「教育の情報化ビジョン」を受けて、教育振興基本計画の中でも記述が深められることを願いますし、私たちが検討しております教員の資質向上のときにも、ともすると子供たちのほうが上手に使ってしまって、教員がなかなか使い切れない現状を打破するような取り組みが、研修の中などでは特に検討され、書き加えられることを期待しています。以上です。
【田村部会長】
ありがとうございました。
それでは、公用があって安西副部会長がお出になるんですが、一言お願いします。
【安西副部会長】
一言申し上げます。この「教育の情報化ビジョン」をまとめる1年間の議論というのは、基本は、子供たちがいかに、やはり主体的に自分から学んでいくということができるようになるかと、こういうことが最も大事なことだというのは、確実にずっと一貫して議論の基礎になってきております。
往々にして、デジタル技術を入れるというと、ただ技術を入れるのかと、それは教育と違うのではないかと、こういうことになりがちなんでありますけれども、それはぜひ誤解のないようにお願いを申し上げておきたいと思います。
今、清原委員の言われたことも全くごもっともでございます。また予算の問題も当然あるわけなんですけれども、これからの子供たちが、例えば今の小学校の生徒であれば、 21世紀の半ばぐらいにもまだ中年という、そういう子供たちでありますから、彼らの人生にとって、デジタル化というよりも、やっぱりアクティブに学んでいくことができる、そういう力を身につけていくということは、教育振興基本計画の今度の大臣の諮問の中にも、やはり自立していける人間を育てなければいけないということが書かれておりますけれども、そういうことに向けての1つの施策だとぜひお考えいただければと思っております。よろしくお願い申し上げます。
【田村部会長】
ありがとうございました。お忙しいところ、すみません。
吉田委員、清原委員、そして、安西委員のお話で、この議論が随分深まったような気がします。ありがとうございました。
ほかに何かご意見ございますか。安彦委員、どうぞ。
【安彦副部会長】
これはお願いですけれども、こういう政策の場合に、一定の期間がたちますので、途中での政策評価というか、それを中間的な段階で予定に入れておいていただきたい。それによっては、場合によって修正その他必要が起きるかもしれません。ぜひそういう面で、途中での政策評価を考えておいていただきたいと思います。
【田村部会長】
ありがとうございます。
どうぞ、堀内委員。
【堀内委員】
この問題と本部会との課題の関連を深めていただければと思います。ご存じのように、今、教員養成制度の枠の中で、情報機器の操作という科目が2単位、これ、実は免許法の規定する59単位の外側に必修で置かれております。その検証が一体どうなっているかという問題なんです。
前任校の話ですけれども、教職大学院に入学する段階で実は検定を昨年から始めています。どのぐらいのICTの処理能力を大学院生が入学するときに持っているかということなんです。逆に言いますと、アウトプットをする段階でどれだけ教職大学院として質保証をしなければいけないのかということを考えまして、別途の科目を実は今年度から開いているはずです。はずというのは、私はもう離れておりますので。
たまたま� ��ういった専門の先生がいらっしゃったのでそういうことができているんですけれども、いわば教員養成の枠の中で、この領域が置いてきぼりを食わないように。また、先ほど来いろいろなご意見があったんですけれども、なぜ修士化が必要なのかといったときに、今、社会変化に伴って、ものすごくいろいろな領域を教員養成に入れなければいけないという形で入り込んできているわけです。
正直言いまして、59単位も4年制の一種免許で完全にこれはもうパンク状態だと。これは1年前にこの場で私が申し上げたことです。教員養成の実態を知っている人間ならば、ほんとうに4年間で必要なものが十分養成できているかどうか。免許法のほうも、今言ったように、先の改正が1998年、もう10年以上前なんですけれども、大変言い方は悪� ��ですけれども、この段階で後手後手に。59単位の枠を外すわけにいかなかった。これは私学の方から大変強いプレッシャーがあったわけです。それで、その外側に4科目8単位を、さらに介護体験等7日間を加える形が今の免許制度になっています。
今のように、さらにこの十数年の中でICTの必要性はほんとうに倍加してきているわけですね。あの2単位でいいのかどうか。これ、事務局にお願いしたいのは、ほんとうに2単位というものが教員養成の中でどれだけ実効性を伴っているのか。また、これは高桑教育長もいらっしゃいますけれども、教育委員会の採用する側で、採用試験との連動でこの辺の検証ができているかどうか。
そういったものが今のところ、はっきりないままでこういった計画、これはこれでいいと思います。 ですけれども、この部会は、教員養成を今、論議しているわけですから、教員養成とこの課題はどういうリンケージをしているのか、しなければいけないのか。そのことと、今、我々が検討しています制度改革、特に修士化、年限を延長するということと関係あるのかないのか、これもやっぱり論議すべきだろうと思います。以上です。
【田村部会長】
ありがとうございます。確かに実はきのうお伺いした大学でも、大学と現場の学校の連携をするときに、先生方がICTを使えないのですごく困るんだということを具体的に話を聞きまして、やっぱりこれはほんとうにちゃんとやらなければだめだなという感じを持ったんです。
今、現職でおられる先生方は非常に熱心でいい先生が多いんですけれども、そういう先端的な技術はやっぱり明らかに遅れているんです。大学はかなり持っていますから、連携を全部それでやりたいんだけども、現場が反応ができないんです。手紙を書いてきてくれとか、ファクスで送ってくれとか言われてしまうんだそうです。連携をほんとうにやろうとしますと、それはちょっと困ってしまうんです。だから、本当にこの辺のこと は考えないと、将来必ず行き詰ってしまうと思います。
修士化という言い方が具合が悪ければ違う言い方でもいいんですけれども、とにかく現状よりかなり勉強しないとだめなんだということだけは、全員が共有しないと困るんじゃないかなと思っております。
それでは、ほかにはご意見ございませんか。どうぞ、若月委員。
【若月委員】
今の堀内委員のご意見はもっともだと思います。だから、社会の変化やさまざまな知的環境が違ってきているわけですから、そうしたようなものを当然、教育の中身として、教員のノウハウとして身につけさせることは大事です。
ただ、量と質の問題がある。私は、新しいものをつけ加えていく、これは必然だと思うんです。それは否定しません。しかし、それ以外の部分において、例えば学部の教育、あるいは教育委員会の研修のあり方、質もやはり問わなければいけないだろうと。だから、学ぶべき量が増えたから修士化だというのなら、本来のこの部会のねらいとは違ってくるだろうということだけは認識を共通にしておきたいと思います。
【田村部会長】
ありがとうございます。確かにそうですね。若月委員は、情報化にかかわって、子供の問題で大変な苦労をされましたから、成果も上げておられますし、そういう意味ではいろいろな感想をお持ちだと思います。
いかがでしょうか。ほかにはご意見ございませんでしょうか。
それでは、ありがとうございました。
続きまして、最後に、資料7の教育関係団体への意見聴取がございますので、事務局からご説明をお願いします。
【日向教育改革調整官】
前回の会議の際に、団体からもご意見を伺うということでご了解いただきましたので、6月10日に関係団体に対して照会をさせていただきました、その事務連絡です。
照会先については、一番後ろにつけさせていただいております。これは第1回の際にお示しをさせていただきました、関係団体からいただいたご意見の照会先とさせていただいたところ、プラス、自ら出していただいた団体、加えて、前回の特別部会でご指摘のあった団体、それらの団体に照会をさせていただいているところでございます。以上でございます。
【田村部会長】
ありがとうございました。
このことは何かご意見ございますでしょうか。
よろしゅうございますか。
それでは、時間にもなりましたので、本日の部会はこれまでとさせていただこうと思います。
本日の議事に関することで、お気づきの点、あるいは、こういう意見を言いたかったというようなことがございましたら、後からでも結構でございますので、ぜひひとつ、事務局までご連絡くださるようにお願いを申し上げます。
なお、次回の特別部会につきましては、ワーキンググループでの議論の状況を見ながら、開催させていただきたいと考えておりますので、後日、事務局から委員の皆様にご連絡をし、調整させていただきたいと思っております。また、ワーキンググループにつき� ��しては、日程を調整した上で開催をさせていただきたいと思っております。
それでは、本日はこれで閉会とさせていただきます。熱心なご討議、ほんとうにありがとうございました。
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